紫外線は光の仲間です。光には波の性質があります。波の頂点から次の頂点までの長さを波長といいますが、可視光(見える光)や赤外線と紫外線の違いは、波長が違うことです。
波長が短いほうから、紫外線、可視光、赤外線の順に波長が長くなっていきます。ところが光には粒の性質もあって、一つ二つと数えることができます。光子といいます。波長が短いほど、光子ひとつのもつエネルギーは大きくなります。
では、光が人間に当たることを考えてみましょう。光(光子)が当たると人間の体を作っている物質に影響を与えるのですが、普通は一回に光子一つだけで物質に影響を与えます。光子がいくつも同時に物質に影響を与えることはほとんどありません。ですから、赤外線だと光子のエネルギーが小さいので、光子一つで人間の体を作っている物質の性質を変えることはできません。赤外線の光子が次々にあたっても、物質を温めるくらいしかできません。
では、紫外線だとどうなるでしょうか。紫外線の光子一つのエネルギーは大きいので、光子一つで人間の体の物質の性質を変えることがあります。特に波長が短い紫外線だと、光子一つのエネルギーが大きいので、人間の体を作っているタンパク質の性質を変えたり、遺伝子(生き物の設計図)を傷つけたりすることがあります。タンパク質の性質が変わると、うまく働かなくなったり、遺伝子(設計図)に間違いがあると、人間の体を作っている細胞などを正しく作ることができなかったりします。だから害があるのです。ただし、紫外線は害だけではありません。人間の体にいいこともしてくれます。