空の色も海の色も、もととなるのは太陽の光です。
太陽の光は色がついていないように見えますが、本当はいろんな色の光が混じっています。太陽の光が分かれて見えるのが虹ですから、太陽の光には虹の色が全部含まれています。
まず、海が青いのはなぜでしょうか。太陽の光は、海のなかに浮かんでいるいろんなものや、海の底で反射されて私たちの目に届きます。
ところが、水は赤っぽい光を少しだけですが吸収します。なので、太陽の光が海の深いところまで届いて、そこから反射されて戻ってくるときは、水の中を長い距離を通ってくるので、太陽の光のうち赤に近い光は水に吸収されてしまい、青い光だけが戻ってきます。
ですから、海は青いのです。砂浜など浅い場所では、水の中を通る距離が短く、赤に近い光もあまり吸収されないので、青くは見えませんね。
では空が青いのはなぜでしょうか。
海とは違って、空気で赤い光が吸収されるのではありません。太陽の光が空気の中を通るとき、空中のちいさな水滴や粒、空気の分子に当たって光の進む方向が変わることがあります。散乱といいますが、青っぽい光は、赤っぽい光よりも散乱されやすいのです。だから太陽の光のうち青っぽい光の一部は真っすぐに私たちに届かないで、他の方向へ進んで、私たちから見て太陽の方向ではない場所でまた散乱されて私たちに届きます。つまり空の太陽の方向ではないところからくる光は、散乱されやすい青っぽい光ということになります。だから空が青く見えるのです。
海が青いのは光の吸収(と反射)、空が青いのは光の散乱という違った現象によって青く見えるのです。