おっしゃるとおり、泥水や池の水などは、ろ過をすると泥や藻などが取りのぞかれて透明な水になります。でも、質問者さんが考えるように、透明だからといって「きれい=安心して飲める」ではないんですね。
では、安心して飲める水、というのはどんな水だと思いますか?
①その水を飲んでもお腹をこわさないで、②飲み続けていても病気にならないで、③飲んだ時にイヤな気持ち(臭くて飲みたくない、など)にならないことが、「安心して飲める水」の大事な基準です。
水を飲んでお腹をこわす一番の原因は、病気の元になる微生物(大腸菌や細菌など)です。水の中に大腸菌がいなくて(ゼロであること)、その他の微生物もほとんどいなければ、その水を安心して飲むことができます。きちんと調べるためには、水を約36℃の温かい培地で1日間培養しても、大腸菌や微生物が増えないことを確認します。今は簡単に大腸菌数を検査できるキットも売られていますね。
次に、安心して飲むためには、その水を飲み続けていても病気にならないことがとても大事なことです。水には、目に見えないたくさんの種類の化学物質が溶けています。化学物質の中には、たくさん体に入れると病気になってしまうようなものが数十種類あります。そのため、水に溶けている化学物質が体に害がない量かどうかを調べるために、それぞれの化学物質を測れる分析装置(例えば、金属の測定には原子吸光光度計)を使って量を測ります。
ろ過をした水が透明でも、目に見えない微生物や溶けている化学物質が含まれているかもしれません。「安心して飲める」水として、一番身近な水は水道水です。水道水の基準やその測定方法は、厚生労働省のHPに載っていますので、ぜひ調べてみてください!